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「横浜国際プール」で開催!ジャパンパラ水泳競技大会から学ぶ、パラ水泳競技の魅力

東京2020大会・英国代表チームの事前キャンプが予定されている横浜国際プールにおいて、9月21日(土)から23日(月・祝)まで『天皇陛下御即位記念2019ジャパンパラ水泳競技大会』が開催されます。昨年の大会には海外8カ国から41名のトップパラスイマーが参加しており、国際的な大会としての注目度もアップしています。そこで今回は、来年に迫った事前キャンプ、そしてパラリンピック本番を前に開催されるこの大会の見どころや、さらには東京2020大会への出場が予想されるイギリスの有力スイマーを紹介していきます。

ジャパンパラ水泳競技大会を楽しむための基礎知識

『ジャパンパラ水泳競技大会』は、パラリンピックや世界選手権をめざすトップレベルの選手のための大会として1991年から開催されている、国内最高峰のパラ水泳大会です。大会記録が国際公式記録として認定される、日本では数少ない国際公認大会でもあり、2018年大会にはイギリス、アメリカ、カナダ、メキシコ、コロンビア、スペイン、オーストラリア、ニュージーランドの8カ国から41名の選手が参加。国際大会としての色合いを濃くしています。

(ジャパンパラ水泳競技大会2018で英国代表チームが来日し、横浜市の子供たちと交流をしました)

昨年のジャパンパラの様子はコチラから

競技は基本的に国際水泳連盟のルールに則っており、使用するプールの規定や競技種目(自由形、背泳ぎ、平泳ぎ、バタフライ)も同じですが、障害の種別や程度ごとに「クラス分け」が行われ、男女別に同程度の競技能力を持った選手同士で順位が競われています。
障害種別とそのレベルは数字で区分けされ、1から10までが身体障害、11から13までが視覚障害、14が知的障害、15が聴覚障害となっており(その下にも比較的軽い障害のクラスが設置されている)、数字は障害の程度が重いクラスから軽いクラスへと増えていきます。また競技種目は自由形・背泳ぎ・バタフライを S、平泳ぎをSB、個人メドレーをSMと表記することから、例えば「SB1」は「身体障害の程度が最も重い選手による平泳ぎ」のクラスを示していることになります。

さらに、可能な限り一般の水泳競技規則に則った競技運営が行われるものの、障害によりやむを得ない場合には特別なルールも用意されています。例えば飛び込みスタートが難しい選手には、水中からのスタートが認められていたり、プールの壁を視認できない視覚障害の選手には、コーチがゴールやターンの直前に棒で選手の身体をタッチすることで壁が近づいていることを選手に伝えるようにしたりというものです。

これらのクラス分けやルールは基本的に東京2020パラリンピックの水泳競技でも共通するもの。本番前の基礎知識を得るうえでも、ジャパンパラ水泳競技大会を会場で体感するのは意義深いことといえます。

障害と向き合い勝ち得た、個性的な泳法を見る魅力


クラス分けやルールのみならず、ジャパンパラ水泳競技大会を現地で観戦することで感じ取れる、パラ水泳競技の魅力もあります。それは障害を抱えながらも、0コンマ1秒を争う選手たちの努力により勝ち得た工夫や技術を発見することです。

障害の種別や程度は選手それぞれで異なるため、最適な泳ぎ方も選手により変わります。例えば、片腕や片脚が欠損している選手や片半身がまひで動かない選手にとっては、左右の推進力や浮力がまったく違うため、まっすぐに泳ぐこと自体が困難なことです。それを一般的な泳法を参考に、自分の身体に合っていて、しかも一番速く泳げる方法をトライ&エラーを重ねながら見つけていくのです。

ですから同じ競技でも、その泳法は非常に個性的。そこに至るまでの練習での苦労や、なぜその泳法にたどり着いたかなどに思いを巡らせることで、純粋なスポーツとしてのパラ水泳競技の魅力に深みが増すことでしょう。タイムの裏側にある、パラスイマーたちの“ドラマ”を感じ取ってください。

東京2020大会にも来日?英国の注目パラスイマー

水泳競技は、パラリンピックの中でも花形競技のひとつ。1960年に開催された第1回ローマ大会から正式競技として行われています。
そして英国チームは、アメリカ、中国、ウクライナなどと並ぶ強豪国であり、2016年のリオデジャネイロパラリンピックでは、計16個(男子6個/女子10個)の金メダルを獲得しています。

東京2020大会でも活躍が期待される英国パラ水泳チーム。今回のジャパンパラ水泳競技大会には、残念ながら出場しませんが、これまでに輝かしい実績をあげている注目選手を紹介しましょう。

ベサニー・ファース(Bethany Firth)


リオデジャネイロパラリンピックで金メダル3個(100m背泳ぎS14、200m自由形S14、200m個人メドレーSM14)、銀メダル1個(100m平泳ぎS B14)を獲得した、英国を代表する女性パラスイマー。中でも100m背泳ぎS14では世界新記録をマークし、圧倒的な強さを見せました。

ステファニー・ミルワード(Stephanie Millward)


1981年生まれのベテラン選手ながら、リオデジャネイロパラリンピックでは7種目に参加し、金メダル2個(100m背泳ぎS8、4×100mメドレーリレー)、銀メダル1個(200m個人メドレーSM8)、銅メダル2個(100m自由形S8、400m自由形S8)を獲得した、英国パラ水泳界のレジェンドともいえる女性スイマーです。

トニー・ショー(Toni Shaw)


2003年生まれの16歳という若さながら、2018年のヨーロッパ選手権400m自由形S9で優勝し、同種目における当時の世界ランキング1位を獲得した成長株の女性スイマー。昨年のジャパンパラ水泳競技大会で来日し、400m自由形S9では2位に7秒以上の差をつける圧倒的な強さで優勝しています。

リース・ダン(Reece Dunn)


今年に入り2つの世界新記録(100m自由形S14、200m自由形S14)をマークした、現在上り調子の24歳の男子スイマー。東京2020大会に向けて彼がどんな調整をしてくるのか、注目が集まっています。

これからレベルの高い代表争いを控えているので、この選手たちが東京2020大会に出場するかはもちろん未確定ですが、もし選ばれるとすれば金メダル争いに食い込んでくる実力者ばかりです。
ジャパンパラ水泳競技大会をきっかけにパラ水泳競技に興味を持ち、本番となる2020年東京での英国選手たちの活躍を応援してみてはいかがでしょうか。

GOGBコラムライター:杉崎孝志