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英国代表チームを応援しよう

【オリンピック競技編】東京2020オリンピック・パラリンピックに向けて知っておきたい!英国代表チームのここがスゴイ!

横浜市・川崎市・慶應義塾大学は、東京2020オリンピック・パラリンピックに出場する英国代表チームの事前キャンプをホストとして受け入れています。そこで、日本のトップアスリートやオリンピック競技指導者の方々に英国代表チームの活躍が期待される競技の見どころや、注目選手について語っていただきました。今回はオリンピック競技編です。

アテネ金メダリストが語る若き英国代表体操チームの勢い

「今の英国代表体操チーム全体の状況は、現在の日本代表ととてもよく似ています」

そう話すのは、アテネ2004大会男子団体金メダリストで、リオデジャネイロ(以下リオ)2016大会では指導者としてチームを牽引して王者に導いた水鳥寿思日本体操協会男子強化本部長です。英国代表チームが練習を行う慶應義塾大学総合政策学部の専任講師(総合政策学部)でもあります。水鳥本部長へお話を伺いに出かけた日は、日本代表チームが東京・北区にある味の素ナショナルトレーニングセンターで熱い練習を繰り広げていました。

(水鳥本部長)
「英国代表チームと日本代表チームの共通点は、メンバーが良い意味で今まで頑張ってきたベテランから若手に切り替わりつつあって、勢いがあり、活気づいているということです」

慶應義塾大学日吉キャンパスで行われた英国代表チームのトレーニングキャンプにも見学に行き、改めて確信したと話します。

(水鳥本部長)
「とは言え、注目しているのはやはりベテランのMax Whitlock MBE(マックス・ウィットロック)選手です。日本で言うとちょうど内村航平選手のような存在ですね」

と教えていただきました。残念ながら、今回の慶應義塾大学でのトレーニングキャンプには参加していなかったとのことですが、チームをロンドン2012大会で団体3位、リオ2016大会では4位に牽引した立役者です。リオ大会では個人総合3位、あん馬と床の個人種目での金メダリストでもあります。

(水鳥本部長)
「若手のJames Hall(ジェームス・ホール)選手やNile Wilson(ナイル・ウィルソン)選手なども台頭してきています。英国が凄いのは、自国五輪開催だった2012年のロンドン大会より、4年後のリオ大会で全体のメダル獲得数を増やしアメリカに次いで2位の67個、体操競技全体のメダル数も7個と、日本の3個を大きく上回るところです。国営宝くじからの資金援助を受けるなど、、選手の強化資金などに充てています」
体操の世界のトップ5はアメリカ、中国、ロシア、イギリス、そして日本です。その全てを、今年に入ってしてきた水鳥本部長は「どこも仕上がって来ていますが、日本も強いですよ、負けません」

とのこと。

最後に、体操競技観戦の見どころについて伺いました。
(水鳥本部長)
「体操は個人競技なのに団体戦もある、他に類を見ない競技です。その熱い闘いと共に体操自体の力強さ、美しさも満喫して欲しいですね。さらに、その時点での選手の持ち点によって、競技内容のパターンを変えたりする駆け引きがあるなど、見どころ満載です」

7人制ラグビーも強豪な英国代表チーム

川崎市が受け入れる競技の1つ、7人制ラグビー。7月のヨーロッパ予選で男女ともにイングランド代表チームが優勝し、英国代表チームが東京2020オリンピックへの出場を決めました。

「7人制ラグビー発祥の地の誇りもあり、絶対に負けられないという意気込みで乗り込んで来るでしょうね」

と、教えてくれるのは、CAP41で元ラグビー日本代表、7人制ラグビー元日本代表監督でもあった専修大学の村田亙ラグビー部監督です。
世界最強はフィジーと言われていて、初めて7人制ラグビーが採用されたリオオリンピックでも優勝していますが、それに次いでの銀メダルが英国でした。強豪国は他に、銅メダルだった南アフリカ、ニュージーランドなどがいます。日本もリオでは予選でニュージーランドに勝利する等、大健闘して4位入賞を果たしています。

(村田監督)
「7人制は、時にメンバーが15人制と被ることもあり、メンバーが固定出来ないことも、難しいところの1つでもあります。なので、現在も、英国代表チームの全容はまだ見えていません」

とも。
とは言え、英国代表チームは伝統的に大柄でフィジカルが強く、セットプレー、ラインアウトなどで上手さを見せるそうです。
その中でのキープレーヤーを伺いました。

(村田監督)
「Dan Norton(ダン・ノートン)選手です。彼はトライゲッターですが、抜群に速い足を活かすのが特徴です。特に、短距離での速力は陸上の100m選手並みです。例えば、私が持っているデータで、あのウサイン・ボルト選手とのタイム比較では、40mまではダンの方が速いです」

村田監督のお手持ちの資料によると、ボルトVSダンは
20m ボルト2.89秒 ダン2.70秒
40m ボルト4.64秒 ダン4.62秒

15人制と同じ広さのグラウンドを7人で駆け巡るのですから、同じラグビーと言っても、内容は異なります。

(村田監督)
「ラグビーよりも個人の華麗なステップワーク、長くて正確なパス回しなどが重要になってきます。そして、そこに注目すると、またとても面白く競技が楽しめます。英国代表チームはキック、パスの精度も高く、ラインアウトも大変高い位置で取るので、そこも面白いですね」

とにかく前半7分、後半7分、グラウンド中を全力で駆けるスポーツ。しかも、同じチームが1日に何試合もゲームを行います。試合の面白さもですが、もう1つ香港セブンス大会を中心とした、観客たちの華やかなコスプレを見る楽しみもあると村田監督は指摘します。ピンクや黄色のアフロヘアーのかつらや、色とりどりの思い思いの衣装が観客席を埋め、観客もノリが良く、15人制とは、全く違う雰囲気を醸し出します。
英国をイメージしたコスプレで、是非、応援に出かけてみてはいかがでしょうか。

東京2020大会出場最有力!高橋侑子選手が見たトライアスロン王国・英国

最後は、横浜市で世界大会が開催されているトライアスロンです。東京2020大会への出場が期待されている、高橋侑子選手に英国のトライアスロン事情について伺いました。
高橋選手は小学生時代からトライアスロン大会に出場し始め、これまでに数多くの表彰を受けています。


(高橋選手)
「東京・調布の桐朋女子中学校に進学、陸上部に所属する傍ら、中学3年時にジュニアの全国大会で優勝したのを機に本格的にトライアスロンに取り組み始めました。
2017年からインターナショナルチームでの活動を始め、海外の拠点・コーチのもと、海外の選手たちと共同生活をしています。世界シリーズを中心に転戦をしながら東京2020大会を目指しています。」

2019年5月に横浜で行われた10周年記念の世界シリーズでは、日本人最高位の4位入賞を果たしています。

高橋選手は、英国は国際大会でほぼ毎年訪れているとのこと。

(高橋選手)
「英国ではトライアスロンの認知度が高く、大会はいつも盛り上がるので、レースをしていてとても楽しいです」

また、英国は選手層が厚く、強くて、気になる選手が沢山いますと教えて頂きました。

(高橋選手)
「どの選手もいつも笑顔でとてもフレンドリーですが、いったんレースがスタートすると、とてもアグレッシブで、強さの秘訣がどこにあるのか気になります」

とも。注目選手を挙げてもらいました。

・Jessica Leamonth(ジェシカ・リーマンス)
スイムが速く、いつもレースを引っ張っている。Jessica選手の流れに乗れるかがいつも重要となっている。

・Georgia Taylor-Brown(ジョージア・テイラーブラウン)
バイク、ランが強く、世界シリーズで何度も表彰台に乗っている。

・Non Stanford(ノン・スタンフォード)
ランが強く、とてもタフな選手。

・Vicky Holland(ヴィッキー・ホーランド)
昨年の世界シリーズチャンピオンでリオ五輪のメダリスト。

過酷と表現される競技ですが、乗り越えた先には達成感が強くあり、何よりも歳を重ねても続けていけるスポーツで、楽しみながら挑戦できるところがトライアスロンの醍醐味と言います。
(高橋選手)
「この競技は3種目あり、特に種目の切り替えや展開が変わるところがトライアスロンならではの面白さなので、そこにも注目して見ていただきたいです」と、目を輝かせて教えてくれました。

 

プロフィール

水鳥寿思氏

アテネ五輪団体金メダリスト。2005年メルボルン世界選手権個人総合銀メダル、07年シュトウットガルト世界選手権団体銀メダル、個人総合銅メダル、ゆか、鉄棒銅メダルなど。
史上最年少の32歳で日本体操協会体操男子団監督・強化本部長、15年世界選手権では37年ぶりの、リオ五輪では五輪12年ぶりの金メダルにチームを導いた。慶應義塾大学総合政策学部専任講師。公益財団法人日本体操協会男子強化本部長、常務理事。公益財団法人日本オリンピック委員会選手強化本部常任委員など。

村田亙氏

専修大学体育会ラグビー部監督。元7人制ラグビー日本代表監督。
東芝府中、ヤマハ発動機などでプレーヤーとして活躍。日本代表CAP41。フランス、アビロン・バイヨンヌと日本人初のプロ契約。ポジションはスクラムハーフ。筑波大学大学院人間総合科学研究科修士課程修了スポーツ健康システムマネジメント専攻。体育学修士取得。ヤマハ発動機スポーツ振興財団審査員。磐田市スポーツアドバイザー。

高橋侑子選手

トライアスロン選手。富士通所属。2019年第1期JTUエリート強化指定。女子エリート強化指定O-2。桐朋女子高等学校・法政大学出身。
主な戦績:2019年WTS横浜4位、18年WTSバミューダ、SLマヨルカ、WC ニュープリスマ(ニュージーランド)など全て5位。17年アジア選手権パレンバン(インドネシア)優勝など。高橋侑子サポーターズクラブ
http://www.takahashiyuko.com/supporters-club.html

取材を終えて

東京2020オリンピック・パラリンピックもついに1年前を切りました。今回は英国代表チームが活躍する競技や選手について、日本のトップアスリート、また指導者の皆様にお話を伺いご紹介させて頂きましたが、2020年7月には横浜市、川崎市、慶應義塾大学日吉キャンパスが英国代表チーム事前キャンプのホストとして、英国トップアスリートの皆さまを迎え入れます。是非これを機会に英国代表チームの活躍に注目してみてはいかがでしょうか。

取材: GOGBコラム担当ライター:神津 伸子
撮影: GOGBコラム担当カメラマン:山本 美賢・栗山 琢宏