ニュース&イベント

【川崎市】朝原宣治氏と多川知希氏の講演より~GO GB 英国フェスティバル~英国をもっと好きになろう!~

11月23日(土・祝)高津市民館で「GO GB 英国フェスティバル~英国をもっと好きになろう!~」を開催しました。当日は荒天にも関わらず多くの家族連れでにぎわいました。

当日の様子は川崎市のホームページでも紹介しています(こちらをクリック)。

川崎市では、英国オリンピック代表の陸上チーム、7人制ラグビー(男子・女子)チーム、サッカー(女子)チームと、英国パラリンピック代表の陸上チームが等々力陸上競技場で事前キャンプを行います。そのため本イベントのトークショーゲストとして、北京2008大会の4×100mリレーで銀メダルを獲得したオリンピアンの朝原宣治(あさはらのぶはる)氏、リオ2016大会の4×100mリレーで銅メダルを獲得したパラリンピアンの多川知希(たがわともき)氏をお迎えし、ロンドン2012大会での経験や東京2020大会に向けた思いについてお話を伺いました。

ロンドン2012大会をお手本に~朝原宣治氏の講演より

朝原氏は「夢を追いかけて」という演題で、北京2008大会での経験について、選手しか知らないようなエピソードを、笑いを交えながら語るとともに、東京2020大会では日本とメダルを争うことになるであろう英国のリレーチームについて「バトンパスの上達がめざましい」と評しました。

ロンドン2012大会では、陸上の解説者として大会に関わった朝原氏は、「ロンドンオリンピックはこれまでで最高の大会だったと思う」とし、その理由の一つとして、ご自身がロンドンのスタジアムで体験した超満員の盛り上がりの様子について語りました。特に10,000mで英国のファラー選手が優勝した時の表彰式では、会場中が総立ちで国歌を大合唱する様子に感動し、思わずご自身のスマートフォンで撮影したそうで、「鳥肌が立った。あのような一体感を東京でも味わえたら最高だと思う」と話しました。

また、観客動員数がギネス記録となった2017年の世界陸上ロンドンについても触れ、「英国の観客は、競技を観に来るのではなく、応援しに来る。スポーツ好きの方がたくさんいて、スポーツに関して最高の教育を受けた世界一の国だ」と、自身の経験をもとに英国のスポーツにまつわる話を紹介しました。

ロンドン2012大会をお手本に、「日本でもさまざまなレガシーを残すことが大切」とし、身近な例としては「スポーツに参加できる機会を増やしたり、文化交流を続けることはもちろん、子どものために学校の部活動に代わるクラブのような仕組みも出来ればいい」という考えを述べました。そしてオリンピック自国開催という貴重な機会を、「一つの財産として、それぞれの人生における次のステップに生かすことも重要」という言葉で、講演を締めくくりました。

(講師略歴)朝原宣治(あさはらのぶはる)氏 〈陸上〉北京2008大会 男子4×100mリレー 銅メダル

9万人の観客で埋め尽くされたロンドン2012パラリンピック~多川知希氏の講演より

多川氏は、生まれつき右前腕部が短い障害をお持ちです。ロンドン2012大会では、100m(T46)で5位、4×100mリレー(T42-46)で4位。リオ2016大会では100m (T47)で 9位、4×100mリレー(T42-47)で 銅メダルの成績を残しました。

「バランスもそうだが、クラウチングスタートの時に肩の高さを合わせるため」に、美しい龍の絵が描かれた重さ約200gの義手を着けています。

チケット完売という盛り上がりを見せたロンドン2012大会で多川氏はパラリンピック大会で初めて100m決勝に進出しました。9万人の観客の中で走ったロンドン2012大会のことを、「昨日のことのように覚えている」そうです。2017年に同じくロンドンで開催された世界パラ陸上競技大会に出場した時は、選手村ではなくロンドン市内に滞在しました。温かい街並みや、ゆったりとした川の流れ、おしゃれな街の様子に触れることができ、とても気に入って「ロンドンに住みたい」くらい、好きな街になったそうです。

多川氏は現在33歳。東京2020大会で100mに出場するために、今はトレーニングに励む日々です。リオ2016大会ではゴールした時点で4位でしたが、アメリカチームの失格で繰り上がり銅メダルとなりました。メダルが獲れたのは「最後まで諦めなかったこと」だとし、東京2020大会出場についても「最後まで諦めずに頑張りたい」と意欲を語りました。

多川氏がリオで銅メダルを獲った4×100mリレー(T42-47)は、東京大会では行われません。代わりに開催される競技のユニバーサルリレーについて「さまざまな障害を持った選手が男女混合で走るところに注目してほしい」と見どころを紹介しました。

パラスポーツの楽しみ方について問われると、「パラスポーツは、ただ障害を持っている人が行っている競技ではない」ことを強調した上で、「例えば同じ100m走でも、試合当日に急に目隠しして走るのと、普段から目が見えない人が走るのとは、全然意味が違う。動画などで動きのイメージを確認できる人と、それができない人が競技を体得するのは、全く異なるもの。(パラアスリートが)それぞれの困難を乗り越えて、大きな舞台に立っているところをしっかり理解すると、また見方が変わると思う」と語りました。

最後に「ロンドン2012大会の時、7レーンにいた英国選手が紹介されると、会場はものすごい盛り上がりだった。東京2020大会でも自国の選手を大いに応援してほしいし、そういう競技場の雰囲気を想像して練習している」と、東京2020大会への思いを語りました。

(講師略歴)多川知希(たがわともき)氏 〈陸上〉リオデジャネイロ2016大会 男子4×100mリレー 銅メダル